製造現場や体を動かすような場所にいくと
「安全第一」の旗や看板が掲げられています。
いつも第一第一言ってますが、実は「安全第一」の後に続きがあることがわかりました。
それが
- 安全第一
- 品質第二
- 生産第三(生産効率)
というものでした。
起源
1900年代初頭にアメリカの製鉄会社「USスチール」で発祥したものです。
もともとこの会社では「生産第一、品質第二、安全第三」というスローガンを掲げていました。
当時はそこまで衛生面は良くなく、劣悪な環境だったため
労働災害など事故が多く発生しておりました。
USスチール社の副社長だったゲーリー氏はそんな光景に心を痛め、
組織の方針を抜本的に変えることにしました。
それが「安全第一、品質第二、生産第三」でした。
どれくらい効果があったか
方針を変えて、安全を最優先にしたことで、労働災害はみるみるうちに減っていきました。
そして、安全第一にしたことで、品質も生産も向上したという結果も生まれました。
理由として、
- 怪我や事故が減ったことで、辞める人が少なくなった。
- 従業員が長く居続けることでその人やチームの技術力が上がっていった。
- 技術力が上がったことで、品質も上がり、
- ノウハウが蓄積されていって不良品が少なくなるので生産効率が上がっていった
と好循環になったという歴史があります。
日本での広まり
このUSスチール社スローガンはアメリカ中に広がっていき、
そしてそれが世界中にも広がっていきました。
日本では古川鉱業足尾鉱業所の所長だった小田川 全之氏によって、
「安全専一」(あんぜんせんいち)と名付けられた標示版を掲示して広まっていきました。
そして1916年には「安全第一運動」という名称で全国に広まっていきました。
なぜ安全第一だけなのか
ここまで安全第一が広く周知してますが、第二、第三はほとんど周知されていません。
これには諸説言われているそうです。
- 「品質は二の次なんです」と消費者に言えないから
- 「安全第一」の語呂がいいから
- 「第一」だけで完結することが多いから
これらの諸説を聞いた時はどれも納得ですし、たしかになぁって思いました。
会社内では従業員に言うことはできても、消費者には言えませんよね。
「その製品は低品質なのか!?」と誤解をされる可能性がありますからね。
日本人って語呂が良い物はすぐ流行りますけど、
語呂が悪いとほとんど周知されませんものね。
ラジオ体操もいつも第一で終わってますけど、
第二、第三とありますよね。でも区切りがいいからとか色々理由つけて
第一で終わってたのを思い出しました(笑
実際この安全第一の話は聞かされるまで気づかなかったですし、
自分から気になって調べないと分からないと思います。
でも品質を良くしなきゃいけないからとか生産性を上げなきゃいけないからという理由で
残業しまくったり、劣悪な環境で長時間酷使されたらさすがに辞めたくなりますね。
起源を知るというのはとても大事なことだと思いました。
参考