書籍情報
書籍名
闇ウェブ(ダークウェブ) セキュリティ集団スプラウト
著者
執筆代表:高野聖玄
執筆者:岡本顕一郎 宍戸ラファエラ 江添佳代子 西方望
発行日
2018/11/21
目次
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序 章 現実社会を動かすサイバー空間
- 2015年5月29日――史上最悪のサイバー闇市場
- 2015年8月18日――世界最大の不倫出会い系サイト
- 2016年3月3日――日本でのダークウェブ摘発
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第1章 サイバー闇市場の実態
- 検索エンジンの届かない世界
- 拡大する「ダークウェブ」
- 麻薬の一大取引所
- 偽造パスポート、偽札、児童ポルノ、殺人請負
- アンダーグラウンドの生息者たち
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第2章 盗まれた個人情報の行方
- 世界中で売買される個人情報の値段
- 暗躍するデータブローカー
- 医療・保険データは「カネになる」
- 流出情報が「成りすまし」に使われる?
- 歌舞伎町の出会い系サイト
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第3章 サイバー闇市場へのアクセス
- 闇市場の成り立ち
- ダークウェブを形作る匿名通信ツール「Tor」
- 闇市場を拡大させた「ビットコイン」
- 悪のマーケットプレイス
- 犯罪者が集う掲示板
- ハッキングツールを買う高校生
- サイバー攻撃代行サービス
- 闇市場を支える「防弾ホスティングサービス」
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第4章 「Tor」と捜査機関の攻防
- 遠隔操作ウイルス事件と日本警察
- 生みの親はアメリカ海軍
- アメリカの諜報機関も頭を悩ます
- Torにも弱点がある!?
- 「児童ポルノ仲介業者」摘発
- FBIは嘘をついている?
- 国際協力による秘匿サービス根絶作戦
- 匿名性は守られるか
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第5章 最大の闇市場「シルクロード」の黒幕逮捕
- 史上最悪のサイバー闇市場
- 8000万ドル荒稼ぎした黒幕「ウルブリヒト」の素顔
- 取り沙汰された「マウントゴックス」との関係
- 最初の有罪評決
- 捜査関係者のスキャンダル発覚
- 仮釈放なしの終身刑
- その後のウルブリヒト
- ウルブリヒトの解放運動
- 終 章 終わりなきサイバー犯罪との戦い
- 盗まれたFBI長官の個人情報
- 日本のサイバーセキュリティ体制の現実
- 医療ビッグデータのリスク
- 日本の金融機関が恰好のターゲットに
- フィンテックも危ない
- ネットワークカメラで自宅が盗撮される?
- 企業セキュリティ問題としての「パナマ文書」
- 今後拡大していく日本のダークウェブ
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あとがき
書籍要約
買えないものは何もない! 悪魔のネットショッピング。企業セキュリティ担当者必読。
麻薬、児童ポルノ、偽造パスポート、偽札、個人情報、サイバー攻撃、殺人請負、武器……「秘匿通信技術」と「ビットコイン」が生みだしたサイバー空間の深海にうごめく「無法地帯」ダークウェブの驚愕の実態! 自分の家族や会社を守るための必読書。
書評
インターネットの世界について
私たちがパソコンなりスマホなり、インターネットの世界につながっているが、
その世界を水に浮かぶ氷山に例えたのが以下の図になります。
・私たちがよく目にしているグーグルのサイトやヤフーや楽天や多くのウェブサイトは
サーフェイスウェブ(Surface Web)または表層Webと呼ばれています。
・会員制のサイトなど特定の人がログインすることでしか見れない場所を
ディープウェブ(Deep Web)または深層Webと呼ばれています。
そして特定のソフトウェアがないと存在を認識することすらできないアンダーグラウンドな場所こそ、この本で取り上げているダークウェブ(Dark Web)またはダークネットです。
ダークウェブと仮想通貨
書籍に書いていましたが、犯罪者たちがビットコインを使うことで、
ビットコインに悪いイメージが付くことがあるそうです。
しかしその発想は間違っていて、仮想通貨が悪いわけではなくダークウェブで闇取引を
している者たちが悪いのです。
殺人者が包丁で人を殺めたら、包丁が悪いと言っているのと同じようなものです。
犯罪だけの世界ではない秘密の場所
ダークウェブという名前や、違法な物が多いことから
ダークウェブ=悪いというイメージが付くと思います。
しかし、ダークウェブの特性は匿名性の高さであり、
犯罪意外の事に利用されるのも少なくありません。
例えば反政府組織であったり、政治を批判したら命が危うい立場にあるジャーナリスト、
政府がインターネットを検閲し制限をかけているため、通常の方法では情報収集できない立場に
いる人などがダークウェブ上で自分の想いを表明していたりします。
自分たちが目にしているネットの世界は広大だと思ってましたが、
実はネット全体から見るとごく一部だというのがよく分かりました。
まだまだ知らない世界が沢山あるので、もっと勉強していこうと思います。